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✿ bow sun days! ✿

イラストレーターなかもとゆう(bow)オフィシャルブログ。こぼれ落ちゆく日々の中で感じたこと、思うこと、考えること。時々詩人。


✿ 環  ✿

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【 環 】

金津創作の森「 森の作家展 – 花 – 」もあと1週間となりました

やっぱり寂しい、、、

今日は私が今回作品を制作するにあたり考えたことを少し綴ろうと思います

いつもより長くなりますがお付き合いくださいm(_ _)m


今回の私の作品のテーマは最初のタイトルにも書いた「環」です

このテーマに行き着くまでにはいろんな考察があり制作中もあれやこれやと考えていました

また制作中も日常の様々なところからインスピレーションを受けました

私の制作のスタイルはいつもそんな感じで、テーマを決めてそれに向かっていくと言うよりは一つの制作を通して自分の中にテーマや発見を見出すと言うことが多くあります

今回の作品制作では自分の中に浮かび上がったのは「環」と言うテーマ

「環」とは丸いつながったものであったり、輪廻、廻ると言うイメージ

今回の展示はなかもとゆう史上初の美術館での展示となったわけですが

なぜ今ここでそういうことができているんだろうと言うことをまず考えました

その答えはすぐにはっきりとわかりました

全てはこれまでの「ご縁」のおかげ

過去をたどれば生まれた時から全てのご縁は一つの線で繋がっています

例えば宝くじが当たるという劇的なことですら宝くじを買うと言う行為無しには起こりえないことなのです

その宝くじを買うのにもきっと何かきっかけのようなものがあり、それで当たるも当たらぬもご縁なのだと思っています

全てはご縁のおかげであり、それはとてもありがたいこと

そのご縁に感謝すると同時に自分もこれまでのご縁を輪っかにしてこの先待つ誰かへと繋げていきたい

そう制作中する前に思ったのです


次に、先ほど「環」とは丸いつながったものと書きましたが

皆さんはまず輪っか状の物というと何を思い浮かべるでしょうか?

お腹がすく時間ですのでドーナツとかちくわとかを思い浮かべたでしょうか 笑

私が思い浮かべたのはユコちゃんのトレードマークでもあるドットでした

ドットを通してみる景色はどんな景色だろうか

皆さんも思い浮かべた丸い輪っかを通していつもの景色を見てみてください

何が見えますか?なにか発見がありましたか?

私がドットを通してみた景色、それは私の知らなかった故郷の姿でした

(私の故郷は福井県あわら市、今回展示が開催される美術館もあわら市所在。ここにもご縁の「環」が活きています)

なかもとゆうにとってドットとはユコちゃんであり

すなわちなかもとゆうがあわら市をユコちゃんと言うキャラクターを通して関わっていると言うこと

故郷を離れてみて、そしてユコちゃんと言うわっかを通して改めて故郷を見たとき

そこには知らないあわら市がたくさん見えたのです

それはまるで虫眼鏡でじっくりと観察しているかのように

当たり前の景色が虫眼鏡を通してみることで全く知らない景色になる

そこにどんな発見があるかは虫眼鏡を知っている人ならよく想像ができると思います

輪っかを通してみると言うことは当たり前のことを当たり前ではない視点から見てみるということ

それによって様々な発見が必ずあると言うことを私は作品制作という「環」を通して発見しました

「環」を丸いものと言う表現でイメージしてもらいましたがそれは何でもいいのです

もちろん輪っか状の物、はたまた何かのきっかけやその時の気持ち

夕日や朝日が感動する程美しく見える、その時の感覚

当たり前の中に生きないこと

それをなかもとゆうが作品にドットを用いるという意味とし今後大切にしていきたい

これがもう一つ、私が制作中に思ったことでした


今回の企画展のメインテーマは「花」、そして私に与えられたテーマは「森の作家」でした

悩んだ末、作中で各作家の似顔絵を描いて森の作家たちを表現しました

非常に単純明快な表現方法ではありますが

まずは作家たちを人物として知っていただきたいという想いからあえて各作家の作品を連想させるような描写は控えました

そしてその作家たちのイメージを色と花で表現しました

その作品をもってして各作家の作品に触れることでこんな人が作っているのかという作品への興味が生まれる

そうしてこの「はなのわ」という「環」を通して森の作家のこと創作の森の自然のことを知ってほしいと思います

そしてあなたにとっての当たり前の中に当たり前でない景色が見えて

そして何かを考え発見する機会になればと願っています

作品のメインモチーフに描いた花も廻る「環」のイメージを持つ花です

一瞬に命をかける力強い木です これもまた「作家」を表しています

そしてなによりこの木のように力強くありたいという自分自身へのメッセージとしてこの花を描きました


以上が制作の中で生まれた私のテーマです

この展示が終わっても時は流れ季節は移ろい創作の森の景色も変わっていきます

時間はとまってくれないし、いつとまるかもわかりません

だからこそ今を一番に、今だと言う時に思いっきり咲かないと行けないんです

一つの後悔もないように 生きていくんです


2015.06.09 なかもとゆう

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