✿ 旅人の話 ✿
目の前には濃い霧がかかりゆく手を遮っている
この先にどんな道が続いているのだろうか
険しいいばらの道だろうか
深い深い樹海だろうか
はたまたコンクリートの平らな道か
川が流れているかもしれないし
崖の縁かもしれない
目の前には濃い霧がかかってゆく手を遮っている
進むべきか否かを旅人は悩んでいる
この先に進みたいのだ
さっきまで晴れていたのに急に霧が立ち込めた
この気まぐれな天気には困ったもんだ
長い旅の中でこの時が一番嫌いだ
進むべきか否か 道はどうなっているかわからない
進むべきか否か ここで進んだとして先が危険な道だったら
そうやって悩んでいるうちに霧はますます濃くなった
四面楚歌のごとく前も後ろも右も左も雲の中にいるかのような真っ白な世界だ
どうする どうする 旅人は悩み続けた
ふと鳥のさえずりが聞こえた
旅人はその美しい声に耳を傾けてみた
白い世界でどこからともなく聞こえてくる幻想的なその音に
旅人は悩むことを忘れて 少し歩き疲れていたことを思い出した
旅人は目を瞑り少しの間休むことにした
次に目をあけたときにはきっと霧が晴れているだろう
そう思いながら
✿
先週末から停滞気味で少し辛い日々のこの頃
生きていればそんな時もある
一生が万事順風満帆な人なんていないし
そんな時無理してもがけばますます霧が濃くなるだろう
そんな時はちょっとゆっくりして霧が晴れるのを待ってみる
なので今週は無理なくゆっくりお仕事をしました
毎日ボクシングに行って汗を流して気分転換したり
違うところへ足を向けてみたり
そんな時があってもいい
少しずつ霧が晴れてきている
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